9月3日にフォーラムを開催しました!


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9月3日、お天気にも恵まれ、フォーラム「おひとりさまもこのまちで、安心して最期まで暮らそう~ご本人の思いに寄り添える地域を目指して~を開催しました。ご参加くださいました140名程の皆様に心より感謝いたします。また併せて、開催にあたり、助成いただきました公益財団法人笹川記念保健協力財団様に感謝申し上げます。

フォーラムは共催者であるNPO法人若年性認知症交流会小さな旅人たちの会 理事長である高橋恵美子氏の司会で始まり、冒頭に当会の冨田が挨拶をいたしました。

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いよいよフォーラム開始。座長は当会副理事長の石田と冨田。冒頭で当フォーラムの趣旨を説明。

中野区はおひとりさま率が6割。おひとりさまの高齢者は年々増加しており、待ったなしの状態。誰もが皆、自分の思いに添ってなじみの地域、望む場所で人生の最期まで自由に暮らしたいと思っています…でも本当にそうできるの?無理じゃないか…多くの人は不安に思い、またさまざまな理由で折り合いをつけ、住み慣れた地域を後にする人が大勢います。

今回のフォーラムでは皆様に問いかけました

「本当は情報がない」という現状があるのではないか?最期まで自分らしく生きることがもう少し大切にされる社会にしていきませんか?!と。そのために、本人、医療・介護の専門職、地域はそれぞれどうしていけばよいか?専門家はどこまで支えてくれるのでしょうか?

 

最初のパネリストは中野区沼袋地区の民生児童委員である浅井郁子氏。

%e4%bc%9a%e5%a0%b4%e6%b5%85%e4%ba%95%e6%b0%8f浅井氏は、民生児童委員の活動を紹介。毎年6月から7月に行われている高齢者調査はおひとりさまの高齢者との貴重な出会いの機会であること、そして、自分らしく生きていくためには、本人自身も地域に寄り添い、気の置けない「家族のような仲間」を築いていくことが大切ではないか、そのためにも高齢者の強みを活かし、人と繋がっていけるようなかかわりが必要であると提言。個人情報の問題があるが、ご本人の了解のもとで情報を共有し、その方を中心に「家族のようなものの輪」を創っていきたいと。

 

 

 

 

二番目のパネリストは中野区医師会訪問看護ステーション管理者で訪問看護認定看護師の遠藤貴栄氏。

%e4%bc%9a%e5%a0%b4%e9%81%a0%e8%97%a4%e6%b0%8f遠藤氏はおひとりさまの療養にあたり、訪問看護師はどのようなサポートをしているのか、事例を基に発表。住み慣れた自宅で自然にそっと命の終えていきたいという本人の思いに寄り添い、主治医やご家族、ケアマネジャーやヘルパー、マンションの管理人などに対し、説明や調整を行っている活動を紹介されました。また、自宅でなくても住み慣れた地域で最期を迎える場所として介護施設、高齢者住宅など多様な場所があること。その中で「ホームホスピス」という選択肢について説明。訪問看護師はおひとりさまが最期まで安心して暮らせるよう寄り添うので安心してほしいと力強く提言されました。

 

 

三番目のパネリストは宇野医院院長で医師の宇野真二氏。地域医療の立場から発表されました。

%e4%bc%9a%e5%a0%b4%e5%ae%87%e9%87%8e%e6%b0%8f宇野氏は冒頭、統計から中野区はおひとりさまが増えていくこと、これを在宅で支えていく必要性を説明。そして、ひとり暮らしの末期がんの方を在宅で看取られたことを紹介し、地域でおひとりさまを最期まで支えていくためには、ケアマネやヘルパー、訪問看護師など多職種で連携していくことが大切であると提言。また、質の高い多職種連携を形成していくためには「自他共栄」が大切。相手を敬い、感謝することで信頼し合い、助け合う心が育まれると。加えて、地域ケア会議に参加してみて、おひとりさまの在宅療養の継続には地域との連携が重要であると実感していると発言されました。最後に中野区医師会を中心に多職種連携を進めている取組として「オレンジバルーンフェスタin中野」というイベントを紹介。今年度も11月12日(土)13日(日)の二日間、帝京平成大学中野キャンパスで開催されます。

 

 

パネリストの発表が終わり、会場との意見交換。

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意見交換の論点は下記4点。

  1. おひとりさまが最期まで地域で暮らし続けることを阻むものは何か?
  2. 本人の意思に基づいて支援者が情報の共有を行っていく上での課題
  3. 地域のどんな支えや場所があれば、おひとりさまが病気になっても安心してくらすことが出来るか?
  4. 療養を支えていくに当たりそれぞれが大切にしたいこと

1については、個人情報の保護という理由で情報の共有が困難になっているという意見が挙げられました。これに対して、ボランティアとして参加していた地域包括の職員からは、本人が了承しても、親戚から苦情が来ることもあり、慎重な対応が必要という意見をいただきました。

また、本人は自宅で最期までいたいと思っていても、ご家族やケアマネなどが心配して施設に入所してしまうケースも多いという意見がありました。

2については、本人を中心にした「支援者の輪」、真の顔の見える多職種連携があることが前提となるのではないかという意見。また1の議論にあったように、個人情報は本人が情報共有に同意をしていくことだけでなく、家族の同意なども含め、慎重に丁寧に取り扱っていくことが重要であるとの意見。

また、見守り活動をしている町会の立場からは、見守りの情報について、最初は個人情報と思って尻込みしていたが、活用して見守り訪問を始めてみると、非常に難しい案件に出会うことがある。その時の区役所やすこやか福祉センターのサポートが必要であるとの意見をいただきました。

3については、浅井氏からは「食事の支援」や「乗合タクシー」のような移動のサポートがあるといい。遠藤氏からは一人で亡くなっていく人もいることから「緊急コール」や災害時のサポートなどがあるといいという意見。

参加されていた社会福祉協議会の職員からはさまざまなサポートは「地域のニーズに本当に繋がっているか」という視点が大切であるとの意見をいただきました。この他、人に頼らない人も多いので、気軽に相談できる場所や体制が必要ではないかという意見、やはり本人も自ら繋がっていこうとする姿勢が大切で、最初の一人を見つけられるようなサポートも必要だねといった意見、そして区役所の地域包括ケア担当の職員からは、地域を掘り起こしていけばもっとたくさんの小さな支えが見つかるのではないかという意見をいただきました。

最後の4について、各自がおひとりさまを支えていく上で大切にしていきたいこと。

浅井氏は「本人が待ち遠しくなるような事・人の繋がりを創っていきたい」、遠藤氏は「一人ひとり、人生の歴史をもった生活者として対応していきたい」と。そして宇野氏は「最期まで地域で暮らしたいと意思表示している方も、治療をして一時的でも回復することがあれば、提案していきたい」との意見。それぞれ、住民(民生児童委員)、訪問看護師、医師の立場から、ほっとするご意見をいただき、話が尽きないフォーラムは終了いたしました。

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閉会の挨拶を行ったNPO法人ピクニックケアの理事長、宮原氏からは本日のフォーラムに住民と多職種が集っていることを対して参加者に感謝の意が伝えられました。

この度のフォーラムでは十分にお聞きできなかった「おひとりさま」ご本人の意見、おひとりさまのご家族の意見、暮らしを支えるケアマネジャーやヘルパーさんたち、また歯科医師や薬剤師の方々のご意見は、改めて、必ず、お聞きする機会を創れればと思っております。

たくさんの方に参加していただき、アンケートも寄せてくださり、心より感謝いたします。合わせて、当日のボランティアの皆様、共催者のNPO法人若年認知症交流会小さな旅人たちの会、NPO法人ピクニックケア、区民有志の方々、後援をしてくださった中野区、中野区医師会、中野区社会福祉協議会に感謝申し上げます。(文責 冨田眞紀子)