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お姉さまを迎えた里の家

4月1日 里の家に新しい住人さんが入居されました。

大正9年生まれの98歳。一番のお姉さまです。  里の家へようこそ!Fさん。

 

大切なお子様がご病気となり、以来、施設療養を続けてきたFさん。

ケアマネさんの紹介でご家族が里の家をお母さまの人生最終章の居場所として選んでくださいました。

悲しいことは心の奥底に封印しているのでしょう。

「歌を歌っている時が一番しあわせ」  Fさんはこうおっしゃいます。

「この道は~いつか来た道~ あ~あ~そうだよ~お~ アカシヤの花が咲いてる~」

きれいなソプラノの声が里の家に響きます。

Fさんがいらしてからというもの、里の家では時間を見つけては歌を皆で口ずさむようになりました。

歌の住む里になりました。

「Fさんの好きな食べ物は何ですか?何でもこしらえますよ」と尋ねると

しばらく考えて「お・さ・け!」とにっこり! ご病気との兼ね合いもありますが、晩酌をして、楽しく、朗らかに暮らせるといいですね。

 

そんなFさんにも戸惑いがあります。

里の家が自分の居場所なのか…自分がここに居ていいのか…しばらくはスタッフとの心の掛け合いが続きます。

体調の波に「私何の病気?」「なんでこんな病気になったの?」「迷惑かけてごめんなさい」と泣いてしまうFさん。

傍にいて背中をさすり、手を握り、Fさんの笑顔と歌声が戻るのを待ちます。

み~んな、哀しみに折り合いをつけて、ここで生き、暮らしていますよ。

でも…とも暮らしはまんざらでもありません。これからたくさん笑って暮らし、病気なんて治しちゃいましょう。

 

Fさん.JPG  Fさんお手.JPG 

 

DSCPDC_0003_BURST20190414172128921_COVER.JPG おどけて見せるFさん

2019/04/30        なかの里を紡ぐ会事務局   |    タグ:ホームホスピス